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から一間半の下屋がまわる。上屋柱の太さは二○-三○センチ、側柱は十二-十四センチでかなりの差がある。「三間取り」の家では真ん中の「いどこ」に上屋柱が集中してたって、構造の中心になっている。柱は礎石の上に立つ。現在では土台のある家が多い。
外壁は土壁の真壁で外側に板を打ちつけることもある。間仕切り壁は土壁もあるが、板壁が多い。間仕切りの内法材は差物がよく使われるが、新しくなると座敷まわりは鴨居になる。
調査した家はみな茅葺きである。板屋根は最近のものらしい。ざすは上屋梁上に本ざすを組み、下屋は追いざすにする。規模の大きな家では上屋の上に小屋梁を架け、そこに本ざすを組むので三段にさすが架かる。小屋束は用いていない。

 

注 調査報告書では、「三間取り」(三列型)、「四間取り」(四列型)の語彙を用いているが、青鬼では、これらを「三間造り」、「四間造り」と呼んいる、「三間取り」、「四間取り」の語彙は、民家の間取り形式についてすでに広く用いられており、この報告書で用いている「三間取り」、「四間取り」とはその内容が異なっている。このことは報告書でも言及している。したがって、以下ここでは青鬼で用いられている「三間造り」、「四間造り」の語彙を用い混乱をさける。報告書に用いられて「三間取り」、「四間取り」はあるいは調査時に「三間造り」、「四間造り」を聞き違いたものか。

 

四 編年の指標をあげる。
(○印は特に建築年代と関係が強いと考えた指標)
1)家の規模
ほとんどの家が増築していること、新しい家が一般的に大きいこと、などこの地方では家の規模は大きくなっている。
2)上屋柱の密度と間隔○
大柱といわれる上屋柱は構造上重要な役割をもつ。これが蜜に立

 

 

 

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